【Anthem | PC/PS4】評価・レビュー 問題は山積みだが可能性を感じるアクションRPG

総評
空を飛ぶ爽快感がたまらない、オンラインアクションRPG。不具合や不満といった問題点は山積みながらも、プレイを止められない魅力を秘めています。発売時点では、完成度が高いとはいえないものの、今後のアップデートに可能性を感じる作品です。
良かったところ
自由に空を飛ぶ爽快感
飽きないハクスラ・トレハン要素
悪かったところ
散見される不具合・問題点
ストレスの溜まる街マップ
視認困難な戦闘中の日本語字幕
3
B
ジャンル オンラインアクションRPG
ハード Windows
PlayStation 4
Xbox One
発売日 2019年2月22日
発売元 エレクトロニック・アーツ
開発元 エレクトロニック・アーツ
BioWare
公式サイト リンク
 エレクトロニック・アーツがおくる、オンライン専用アクションRPG「Anthem(アンセム)」のレビュー記事です。

 自由自在に空を飛べるアクションが魅力の本作。不具合や調整不足などの不満が多く、お世辞にも文句なしとはいえないものの、問題点を補えるだけの面白さも秘めています。ゲームにストレスを感じても、フィールドに出て空を飛べば、何もかも忘れて楽しめてしまう作品です。

 4種類のジャベリンとハクスラ要素の組合せも、バランス調整に少し問題を感じるものの、中毒性の高いプレイに引き込む要因です。スムーズでテンポの良いオンラインマッチングも用意されているため、飽きることなく繰り返しプレイを堪能することができました。

 発売時点の完成度は物足りないですが、今後の追加コンテンツやアップデートによって、より良い作品に仕上がっていく可能性を感じる作品でした。

数え切れないほどの問題点と不満

 発売時点での不具合や調整不足といった問題点は山積みです。普通にプレイしていても、当たり前のように任務が進行不能になったり、明らかなバグが発生したりと、何が起こるか予想も付きません。オープンワールドやオンラインゲームに不具合は付きものとはいえ、少し多すぎる印象を持ちました。

 操作面でも不満は数え切れないほど挙げられます。移動速度の遅い一人称視点で、何度も出発地点とNPCの間を往復させられる街マップ。アイテムを1個ずつしか処理できないインベントリ。単調で退屈な任務内容。長いローディングなど、無駄に時間を取られるばかりでストレスがたまりました。

 先行リリースから発売日に掛けて、「Day one update」という形で修正が入ったものの、まだまだ問題点は数多く残っています。追加コンテンツと併せて、継続的にアップデートが行われる予定とはいえ、現時点では完成度が高いといえる状況ではありません。

自由に空を飛べる立体的なアクション

 Anthem最大の魅力として挙げたいのは、ジャベリンに搭乗して空を飛べる立体的なアクションです。広大で緻密なオープンワールドを、自由自在に飛び回れるだけでも、本作を購入して良かったと感じるほどでした。任務だけでなく、フリーでフィールドを探索できるため、好きなだけ飛行と景色を楽しめます。

 空を飛ぶのが魅力とはいえ、無限に飛び続けられるわけではありません。何も考えずに飛んでいると、スラスターがオーバーヒートして墜落してしまいます。しかし、基本的な航続距離が絶妙に設定されていることに加えて、降下や水場を利用した冷却によって延ばせるため、地形に合わせた工夫で長く飛べる点も好感触でした。

 戦闘中も短距離飛行を行う機会が多いため、飛行に関するプレイヤースキルは、全てに通じるといっても過言ではありません。さらに、空中に静止するホバリングと組み合わせれば、多彩な空中機動で戦えます。空を飛べることに興味を持って購入を考えているなら、買って間違いなしの作品です。

4種類のジャベリンとハクスラ要素

 プレイヤーが搭乗するジャベリンには、4種類の機体が用意されています。バランスの良い「レンジャー」、高耐久で安定感のある「コロッサス」、機動性の高い「インターセプター」、遠距離特化の「ストーム」など、特徴は様々です。自分のプレイスタイルに合った機体を選んで任務に赴きます。

 ジャベリンには、武器以外にも様々なパーツを装着して、カスタマイズすることが可能です。全ての装備にレアリティや特殊効果が存在しており、装備を集めて強化を繰り返す、ハクスラ・トレハン要素が楽しめます。性能の説明が分かりにくい問題はあったものの、組合せが豊富で、終わりのない周回プレイに没頭してしまいました。

 任務の難易度は6種類となっており、上位ほど高いレアリティの装備がドロップしやすくなっています。敵の強化値が異常なので、闇雲に高難易度に突っ込んでも全く刃が立たないバランスです。周回することで徐々に成長を実感できることに加えて、高レアリティの装備を獲得した際には、専用の演出が用意されておりテンションも上がりました。

テンポの良いオンラインマッチング

 任務やフリープレイでは、最大4人のオンラインプレイが楽しめます。プライバシー設定を行わない限り、同じ任務に参加しているプレイヤーと自動的にマッチングが発生します。任務前後のロビーなどもないため、いきなり始まってクリアしたら別れる、スムーズでテンポの良いオンラインマッチングです。

 操作の忙しいアクションなので、テキストチャットはなく、ボイスチャットとモーションのみが用意されています。ボイスチャットを多用する人は少ないため、コミュニケーションは区切りの良いところでモーションをやり取りする程度です。良くも悪くも、必要以上にオンラインを意識しなくても良い作りでした。

 ドロップアイテムは個別に発生して、プレイヤーのレベルに依存した装備が獲得できる点も、遊びやすさにつながっています。自分の遊びたい任務を自由に遊んで、様々な人と共闘するゲームという感触でした。もちろん、フレンドと一緒に遊べる仕組みも用意されており、固定メンバーで周回することも可能です。

固有名詞満載のSFファンタジー

 ジャベリンの存在が前面に押し出されているため、第一印象はSFと感じるものの、蓋を開けてみるとファンタジー色がかなり濃く現れています。膨大な量の設定には、科学では説明しきれない要素も多く、SFファンタジーという位置付けがしっくりきました。

 怪しい日本語訳に加えて、固有名詞が多数登場するため、ストーリーの内容は少し難解です。任務をプレイするだけでなく、NPCとの会話や資料に目を通していかなければ、世界観の全体像が分かりにくい構成になっています。ただ戦うだけでは、いったい誰と争っているのかすら理解できません。

 日本語は字幕表示しか用意されていない点は残念でした。日本語音声がないことは購入前から分かっていたものの、戦闘中にも容赦なく会話が発生するため、字幕を読む余裕がありません。クリア済の任務を自由にプレイすることもできないため、読めなかったままの会話が存在するのは、ストーリーにおける大きな不満点でした。

さいごに

 おすすめできるかといえば悩んでしまうクオリティですが、個人的には空を飛べるだけでも満足度の高いです。トレハン要素も洗練されているとは言い難いものの、ついつい装備集めに入り浸ってしまい、気付けば先行リリースの1週間だけでプレイ時間は50時間を超えていました。問題点は山積みですが、決して悪い作品ではありません。

 今後、様々な追加コンテンツが予定されており、平行してアップデートも実施されることから、長く楽しめる作品に成長してくれることを期待しています。