【ACVD】評価・レビュー

良かったところ
格段に向上したマッチングシステム
悪かったところ
形骸化している三つ巴の戦争
チームフリー対戦を繰り返す対戦要素
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C-

 ACVより良くなった ≠ ACVDは良作。高すぎた理想故にマッチングなど問題点を多く抱えていた前作に対して、「様々な部分をカジュアルに改変して遊びやすくしたACV」と言うのが今作に対する率直な感想。その為に切り捨てられてしまった物も多く、個人的にはそれらの部分に不満を持っている為に評価は高くありません。ACVよりは面白いが、良作かと聞かれれば素直に肯定出来ない作品です。

チームフリー対戦を繰り返している気分になる対戦要素

 条件の合った相手としかマッチング出来なかったACVに比べて、出撃するだけで自動的に誰かとマッチングする今作のシステムは、戦闘を繰り返すと言う面では文句無しのシステムです。マッチングしない限り遊ぶ事も出来ないオンラインゲームなので、そこを前作より改善した事は褒められる部分。しかし、緩和の影響で戦略性が乏しくなったとも感じます。

 戦闘で使用されるマップ・攻守・戦闘条件が全てランダムとなっており、マップを熟知すると言う要素が軽く見られている。併せて特定の条件下に特化した機体は軽視され、どんな条件でも戦える汎用性の高い機体が重視されているように思えました。敵味方、どちらもランダムは同条件とは言え、ゲームとしての幅が減ってしまった事は寂しいです。

3勢力による三つ巴の戦争が殆ど形骸化しており機能していない

 マッチング条件の緩和によって、何処の勢力と戦うのか、守るのか攻めるのか、何も解らないままに戦い続ける戦争システム。それだけでも戦争に関与していると言う意識が希薄になりますが、最終的に自勢力が勝っても負けてもプレイヤーにとって何の影響も及ぼさないという仕様では、戦争なんて戦闘する為の理由付けでしかありません。

 例えば、前シーズンの勝利勢力が何処だったかパッと思い出せる人なんて殆ど居ないでしょう。シーズン毎に移籍可能で同勢力対戦も可能。自勢力が負けても何のデメリットも無いと言うカジュアル性の高さ故に、何処の勢力に所属しても同じという状態では戦争の勝敗なんてどうでも良いからです。折角の要素も形だけでは凄く勿体ないと思いました。

UNACは面白いがRTS要素と豪語するには少々作りが浅すぎる

 まだ10日程度しか触っていませんが、遊べば遊ぶほどにUNACの弱点・欠点のような物が見えてきます。それらを克服したUNACを作ろうと思っても対応するチップが存在しないと言う手詰まり感。ある程度はオペレーター操作で補う事が可能とは言え、UIが複数のUNACを同時操作するのに適しておらず、4体同時に細かい指示を出すプレイはハードルが高すぎます。

 更に人間とUNACの間に横たわる絶対的なハンデとして、マッチング後にUNAC編成を変更出来ない制限が存在。今作ではマップがランダムで決定すると言うのに、マップに合わせた調整が出来ないのではアセンによっては全く働けないUNACが生まれます。自分のUNACが戦えるMAPを引けるかどうかと言う運要素が戦闘前から絡んで来るのです。

 最低でも上記2点の改善が為されない限り、UNACによる安定した勝率は望めないと自分は感じました。なんとか対応してみようとマップに左右されにくい汎用性の高い機体を4体組んで、勝率5割くらいは出せるようになりましたが、当たり障りの無い編成ではUNACが強い弱いでは無く”運が良かったから勝った”感が強くて、あまり面白い物では有りませんでしたね。

ACVの戦闘と、ACVDのマッチングを兼ね揃えた作品が遊んでみたい

 自分もACVプレイヤーだった為、「ACVに比べれば良い作品」と言う意見には確かに同意です。しかし、上記にも挙げてきたようにACVD単体で見た評価としては完成度が高いとは言いにくい。特にACVと言う底辺を知らない新規プレイヤーから見れば、ACVDだけが基準なので戦闘を繰り返すだけのシステムは単調に見えてしまうのでは無いだろうかと思います。

 同様に前作では猛威を振るったフリーズは頻度こそ減ったとは言え、無限ローディングを含めると毎日のように発生。減ったから良いと言う物では無く、普通のゲームはフリーズする時点で問題です。目に付いた部分を取り上げて酷評ばかりするのは好きでは無いですが、前作より良いと言うだけで良作だと評価するほど作品のクオリティを甘く見たくも無いです。