【グランキングダム】評価・レビュー 奥深い育成要素と手応えのない戦争

記事のタイトルとURLをコピーする
C-
総評
膨大なシステム・要素に対して作り込みがいま一つで、惜しいと感じる部分が多かった作品です。
良かったところ
奥深い育成要素
悪かったところ
大雑把なバランス調整
煩雑で面白みのない戦闘
対戦・共闘の実感が湧かない戦争
遊びにくいインターフェース
国家別ストーリーは後日配信
ジャンル タクティカルRPG
ハード PlayStation 4
PlayStation Vita
発売日 2015年11月19日
発売元 スパイクチュンソフト
開発元 モノクロ
公式サイト リンク

 自分だけの傭兵団を率いて戦乱を駆けるタクティカルRPGグランキングダム」のレビュー記事です。

 「グランナイツヒストリー」製作スタッフが起業した新会社の開発と言うことで、大幅にシステムを追加した同系統作品になっている本作。しかし、膨大なシステム・要素に対して作り込みがいま一つで、『磨けば光りそうなのに惜しい』と感じる部分が目立ちました。

 過剰なまでの育成要素や最大で6部隊のAI運用など、やり込んでいくと時間が幾らあっても足りないのですが、戦闘・戦争に張り合いがないと全体的にもアンバランス。インタビューでも『一風変わった作品を探しているようなコアゲーマーにこそ手にとって欲しい』と言っているように、かなり人を選ぶ作品でした。

最強を目指すと終わりの見えない育成要素

 雇用団員には、13種類のクラスと12項目のステータス素質が用意されています。これだけでも育成要素として奥深いですが、覚えるスキルやアビリティもランダムで決まるため、完全に同じユニットは存在しないと言っても過言ではないでしょう。厳選をするだけで、時間がどんどん消費されていきます。

 雇用時の素質で足りない部分は、時間を掛ければスキル継承やクラスチェンジで補うことも可能です。さらに、陣形やギミック設置で戦略性が広がるため、育成や構成を考えるのが好きな人にとっては、いつまでも遊べるやり込み要素になっています。育成要素に対する評価はとても高いです。

煩雑で時間ばかり掛かってしまうバトルシステム

 ユニット単位のターン制にアクション要素を取り入れた戦闘は、プレイヤーの操作負担が大きいシステムです。敵味方の構成やフィールドの状況を見極めながら操作して、思い通りの結果を出すにはプレイヤースキルも要求されるため、戦闘が長くなりがちで重く感じられます。

 負担が大きくても、張り合いのある戦闘が楽しめるなら文句はないのですが、オフライン・オンラインともに遊べるのはAI戦だけです。AIとプレイヤーでは操作の精度が違うため、同レベル帯なら負けることはありません。これでは、複雑なバトルシステムも煩雑に思えるだけでした。

対戦・共闘している実感の湧かないオンライン戦争

 本作におけるメインコンテンツですが、単調なAI戦の繰り返しで対戦しているという実感は希薄です。仲間の存在も空気なので、共闘している雰囲気もありません。オンラインに接続しているはずなのに、やっていることはオフラインのクエストと大して変わらない状況です。

 投票によって支援内容や方針を決める要素が存在する反面、プレイヤー同士で交流を図る機能が用意されていない点も残念でした。普通に遊んでいるだけではフレンドを作る機会もないため、仲間が欲しければ、無作為にフォローするか、外部のコミュニティを頼る必要があります。

国家別のキャンペーンストーリーは後日配信予定

 傭兵団の団長であるプレイヤーと傭兵ギルドの始まりを語る「ギルド編」 そして大陸の覇権を争う4大国のストーリーを楽しめる予定ですが、レビューを書いている時点では、各国のシナリオは第1話のみで続きは後日配信となっています。「ギルド編」は、レベル上げに掛かる時間を除けば、短時間で終わるボリュームです。

 どの国のシナリオが解放されるかは戦争の勝敗次第と言うことで、オフライン・オンラインを併せて、長く楽しませる構成のようです。しかしながら、公式サイトに載っている一部のキャラクターが登場すらしない進行度で、いつになるか分からない配信待ちというのは、少々肩透かしでした。

さいごに

 育成をメインに1週間ほど遊んでみたものの、現状は人におすすめできるクオリティではありません。ゲームコンセプトの理想ばかりが先行して、要素を詰め込んでみたけれど、バランス調整は穴だらけという印象です。いずれかの要素が琴線に触れても、他の要素に足を引っ張られてしまいます。

 今後のアップデートに期待したいところですが、発売後の運営は動きが鈍く、オンライン対応タイトルを盛り上げていこうという姿勢が見えません。不具合修正や調整に注力している最中とはいえ、現在のプレイヤーを放置では本末転倒です。改善される頃には過疎っていないか不安で、もっと洗練させてから発売できなかったのかと残念に思える作品でした。