【PSYCHO-PASS サイコパス 選択なき幸福 | PS4/Xbox】評価・レビュー

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総評
アニメ第一期をベースにオリジナルキャラクターを追加した完全新作ストーリー。機能面で遊びにくさが目立つものの、ストーリーの出来は良く、サイコパスファンの期待にしっかり応えている作品です。
良かったところ
アニメ第一期をベースにしたオリジナルストーリー
プレイヤーをサポートするSmartGlass連動
各キャラクターとの魅力的な個別イベント
悪かったところ
役に立たない既読スキップ
細かすぎるルート分岐・マルチエンディング
3
B
ジャンル アドベンチャー
ハード Xbox One
PlayStation 4
PlayStation Vita
発売日 2015年5月28日
発売元 5pb.
開発元 5pb.
公式サイト リンク

 ゲームオリジナルキャラクターを追加し、完全新作の物語を展開するアドベンチャー「PSYCHO-PASS サイコパス 選択なき幸福」のレビュー記事です。

 2人の主人公と多数のエンディングを用意したことで、様々な展開が楽しめる本作。細かすぎる分岐に既読スキップが役に立たないという不満はあったものの、ストーリー自体の完成度は高かったです。スマートフォン・タブレットを活用したゲーム外への拡張や、サービスカットが豊富な個別イベントなど、サイコパスファンの期待にしっかり応える作品でした。

アニメ第一期をベースにしたオリジナルストーリー

 2人の主人公視点から一連の事件を追っていく完全新作で、舞台は佐渡海上市。1周回は3~4時間程度と短いですが、マルチエンディング方式を採用しており、プレイヤーの選択によってストーリーは多様に変化していきます。もちろん、アニメ登場キャラクターたちも多くのシーンで活躍します。

選択肢とエンディングが多い「選択なき幸せ」

 膨大な量の選択肢が用意されており、バッドエンドを除いても14種類のエンディングが存在。選択肢1つでシーンが微妙に変化していくのですが、目に付いた違和感が数か所程度というのはすごかったです。複雑なフラグに対して、作り込みがしっかりしていると感じます。セーブ枠が100個用意されていた点も助かりました。

既読スキップの効かない微妙なシーン変化

 作り込みの影響で生まれた不満点。ちょっとした変化でも別シーン扱いとなるため、周回プレイをしても既読スキップがほとんど機能しないのはつらかったです。多くの未読シーンが間違い探しの状態。会話が同じでも場所が違うパターンもあります。分岐の多い本作において、この仕様は時間が掛かりすぎてしまいました。

 6~7周回する頃には大半のシーンが既読になるのですが、高速スキップすると微妙な会話の変化を把握しにくく、状況が解りにくくなる問題が発生します。回収したエンディングが10個を超えた辺りで、ルート探索が困難に陥りました。似たような結末も多く、過剰な分岐よりも、もう少しシンプルに遊びやすくしてほしかったです。

男性陣のサービスカットが多い個別イベント

 メインストーリーと平行して、各キャラクターとの個別イベントが多数存在。選択肢や色相変化が関わってくるので、エンディング同様に見つけにくいイベントです。主に監視官・執行官のプライベートに関わる内容となっており、アニメでは見られなかった一面を知ることができます。

 シャワーシーンや水着姿など、男性陣のサービスカットが多め。公平に女性のサービスカットも用意するべきと思いましたが、女性陣の私生活や肉体関係は原作に用意されているため、これはこれで釣合いが取れているかもしれません。

スマートフォン・タブレットとの連動で臨場感が大幅に向上

 SmartGlassアプリを起動することで、ゲーム情報をスマートフォンやタブレットに通知。ルート分岐の発生や各キャラクターの好感度・色相変化など、様々なサポートを受けることが可能です。全てボイス付きとなっており、ドミネーター音声が流れます。エンディングの回収にとても役立ちました。

 展開によっては各キャラクターとの通話が発生。本当に会話しているようなボイスメッセージが1~2分程度流れます。ストーリーと連動した内容になっており、強い臨場感を体験できます。本作を遊ぶなら絶対に導入しておきたいアプリです。

魅力抜群の特典ボイス

 ストーリー進行で解放されるシーンリプレイ以外に、ミニゲームをクリアしたポイントで解放されるコンテンツが多数用意されています。その中でも特筆すべきは特典ボイスです。モーニングコールや休日の過ごし方など、テーマに沿ったメッセージを各キャラ10種類ずつ聴くことができます。

さいごに

 膨大な選択肢と、作り込みによる既読スキップの機能不全。良くも悪くもこだわりすぎていることで、遊びにくい印象が目立った作品でした。終盤はゲームを楽しむというよりも、エンディングを回収するための作業で色相が濁ったように感じます。

 しかしながら、オリジナル・原作キャラクターをどちらもうまく活躍させたストーリーや、魅力的な個別イベントの評価は高いです。SmartGlassを使った連動も斬新で、原作が好きで購入した私を満足させる作品でした。