【ペルソナ3 ダンシング・ムーンナイト(P3D)】評価・レビュー 自由なカスタマイズが魅力のP3ファン必携タイトル

総評
リズムゲームとしてはギリギリ及第点ながらも、HD化&フルボイスのストーリーやアレンジ楽曲は高評価。自由度の高いカスタマイズと鑑賞モードが用意されており、ファンアイテムとしてもすばらしい作品です。
良かったところ
ゆかりっちがかわいい!
豊富なコンフィグ&サポート機能
ダンスとコミュの絶妙なゲームサイクル
自由度の高いカスタマイズと鑑賞モード
悪かったところ
PS VR対応はオマケ程度
5
A+
ジャンル サウンドアクション
ハード PlayStation 4
PlayStation Vita
発売日 2018年5月24日
発売元 アトラス
開発元 アトラス
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで6時間

 特別課外活動部の仲間たちと踊るサウンドアクションペルソナ3 ダンシング・ムーンナイト(P3D)」のレビュー記事です。

 P4Dに続く、ペルソナシリーズのリズムゲームスピンアウト第2弾となる本作。リズムゲームとしては特別面白いわけではないものの、キャラクターたちとの「COMMU」や豊富なアレンジ曲がプレイを盛り上げます。PS4版の発売と各種調整によって、遊びやすくなった点もうれしいです。

 衣裳・アクセサリーのカスタマイズや、ダンサーの組合せなど、自由度の高さも大きな魅力です。好きなキャラクターたちを着せ替えて、ダンスやコレクションモードで思う存分に眺めることもできるため、P3ファンなら是非ともプレイしておきたい作品に仕上がっていました。

交互に楽しめる2つのゲームモード

 ゲームは大きく分けて「DANCING!」と「COMMU」の2つのモードに分かれています。「DANCING!」でリズムゲームをプレイすることによって、キャラクターたちとの「COMMU」が解禁されていく形式です。ゲームジャンルは変わったものの、原作を強くイメージされています。

 「COMMU」を閲覧することによって、新しいコンテンツが開放されていくため、2つのモードを交互に遊ぶサイクルがモチベーションにつながる点も好印象でした。開放条件は普通にゲームを遊ぶだけで達成できる物ばかりなので、あまり意識せず気軽に楽しむことができます。

フルボイスで賑やかな外伝ストーリー

 「COMMU」で進行するストーリーは、原作後半の一場面を切り取った夢として繰り広げられます。時間が経過しない夢の中という設定から、明るく賑やかな掛け合いが中心となっており、リアル頭身になった3Dモデルやフルボイスで展開される外伝ストーリーは必見です。

 残念ながら、コロマルや荒垣さんはストーリーに登場しないものの、天田君のイベントでスポットが当てられています。各キャラクターのコミュを進めると部屋に行けるようになり、隠されたカードを探すという名目で、部屋の中を探索するミニゲームを遊ぶことも可能です。

 特定のコミュでは、過去に発売されたP4Dや、同時に発売されたP5Dと世界観がリンクしていることを示唆されます。未プレイでもP3Dを楽しむ分には問題ないのですが、P4やP5をプレイ済みなら、そちらも併せて遊びたくなってしまう仕込みでした。

リズムゲームとしてはギリギリ及第点

 ペルソナのリズムゲームで採用されているシステムは、画面全体を利用した形式となっており、判定が若干シビアなこともあって、あまり初心者向けとはいえません。慣れるまでは、常に画面全体を注視しなければならないため、爽快感よりも緊張感や疲労が前面に来てしまいます。

 しかしながら、豊富なコンフィグとサポート機能が備わっているため、リズムゲームに慣れていない人でも楽しみやすい点は好印象でした。特に、サポート機能はクリア優先でスコアを無視すれば、難易度を大きく下げて楽しめます。リズムゲーム初心者でも安心です。

 今作からPS4版も発売されており、画面全体を見やすい環境でプレイできるようになったこともうれしいです。「ノートの遅延調整」でディスプレイの応答速度が遅くても対応可能でした。どちらのプラットフォームでプレイするか迷っている方には、PS4版を強くすすめたいです。

アレンジ曲・新曲を含めた全25曲を収録

 有名作曲家によるアレンジ曲やオープニングで流れる新曲など、全25曲が収録されています。楽曲に合わせたステージも用意されており、ダンサーとパートナーたちのダンスも魅力抜群です。全ての曲が4段階の難易度に分かれており、腕前に関係なく、どの曲でも楽しめます。

 カスタマイズしたキャラクターのダンスが楽しめる楽曲以外に、ミュージックビデオ風や原作ゲーム画面、Live映像を活用した物も複数存在します。中でもミュージックビデオは格好良さやかわいさが飛び抜けており、鑑賞モードで何度も見返してしまうクオリティでした。

自由度の高いキャラクターカスタマイズ

 衣裳だけでなく、複数のアクセサリーやカラーコンタクト・ウィッグなど多彩なカスタマイズは本作の大きなポイントです。お気に入り登録機能はもちろん。曲ごとに衣裳を記憶したり、ランダム選択・個別のランダム除外ができたりと、細かいところまで配慮が行き届いています。

 公式サイトを確認するとDLCで配信予定の物も多いですが、パッケージだけでも衣裳が各キャラクター10種類以上。アクセサリーはカラー違いを含めると70種類以上と膨大です。全てRANDOMでプレイすると仮装大会のようになってしまい、ゲームに集中できない場面もありました。

PS VR対応はオマケ程度

 部屋探索とコレクションの鑑賞モードでは、「PS VR」を利用したVRモードをプレイすることができます。とはいえ、どちらもオマケの域を出ない機能となっており、過度の期待は禁物です。強いて挙げるなら、通常では見られない角度からキャラクターを堪能できるのが評価点でした。

ゆかりっちがかわいい!

 「P3D」と「P5D」が同時発売された中で「P3D」を選んだのは、P3が好きということもありますが、ゆかりっちがお気に入りというのが大きな理由です。リズムゲームを一通り遊び終えた後は、コレクションやダンスの鑑賞モードで、カスタマイズしながら何度も眺めてしまいました。

 レビュー全体でもゆかりっちのスクリーンショットを中心に掲載してきましたが、もちろん他のキャラクターも同様に愛でることが可能です。スクリーンショットを見返してみると、単なるリズムゲームではなく、ファンアイテムとしてもすばらしい作品だと改めて実感しました。

さいごに

 映画化もされたとはいえ、P3は10年以上も前に発売されたタイトルのため、HD化&フルボイスで掛け合うストーリーだけでも一見の価値があります。カスタマイズの自由度もあって楽しみ方も豊富なので、P3が好きな人なら、購入することを強くおすすめしたい作品です。