【メイQノ地下ニ死ス | Vita】評価・レビュー ストレス要因の多いダンジョンRPG

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総評
やり込みや周回要素を除けばコンテンツが少なく、ストレスに感じる部分も目立って、全体的にクオリティの低い作品です。
良かったところ
サクサクと遊べる快適なバトルシステム
フルボイスでかわいらしいキャラクターたち
悪かったところ
淡々としたストーリー
煩雑なカスタマイズ要素
ストレスの溜まるダンジョン探索
1
C-
ジャンル ロボと魔物と魔法少女のRPG
ハード PlayStation Vita
発売日 2015年12月17日
発売元 コンパイルハート
開発元 ゼロディブ
公式サイト リンク
プレイ時間 1周目クリアまで18時間

 コンパイルハート/魔界1番館がおくる、ロボと魔物と魔法少女のRPGメイQノ地下ニ死ス」のレビュー記事です。

 キャラクターとガーディアンをセットで操作するターン制コマンドバトルや、かわいらしいキャラクターデザインに魅力を感じた本作。しかし、やり込みや周回要素を除けばコンテンツが少なく、ストレスに感じる要因も目立って、余り好ましいクオリティの作品ではありませんでした。

試練に挑む魔法少女たちのストーリー

メイQノ地下ニ死ス 集合イベント

 かわいらしい5人の魔法少女を中心に、多数のキャラクターが登場。人物だけでなく、ガーディアンまでしゃべるフルボイスに加えて、細部が動く立ち絵は高評価です。Ryojiさんのキャラクターデザインが好きな方なら、ADVパートを眺めるだけでも満足度は高いかと思います。

 サブイベントや日常会話的な物が存在しないため、会話が必要最低限しか用意されていない点は残念でした。内容自体は悪くないものの、説明不足で掘り下げが足りないと感じる部分も多いです。全体的に盛り上がりにも欠けており、淡々とストーリーが進んでいく印象を持ちました。

サクサクと遊べる快適なバトルシステム

メイQノ地下ニ死ス バトル画面

 戦闘では、キャラクターとガーディアンをセットで1組として操作していきます。最大で3組が参戦できるコマンドバトルは、2倍x3組と幅広い選択肢が用意されてました。前回のコマンドをボタン1つで再指定するリピート機能や高速スキップでサクサクと戦える点もうれしかったです。

 ガーディアンが壊れてもキャラクターは行動できますが、逆のパターンは即座に戦闘不能になってしまう点は要注意。どちらが攻撃を受けるかはコマンドによって変化するため、戦況判断はかなり重要でした。中には直接キャラクターを攻撃してくる敵もいるので、ガーディアンが健在でも気を抜けません。

煩雑で試行錯誤のしにくいカスタマイズ要素

メイQノ地下ニ死ス

 デュアルバトルシステムに対応して、豊富な項目が用意されているカスタマイズ。組合せの数が膨大なのに対して、管理するためのインターフェースが使いにくいのは、とても残念でした。さらに、パーツを1つ入れ替えるだけでもローディングが発生するため、煩わしくて気軽に試行錯誤も行えません。

 キャラクターだけでなく、ガーディアンにもレベルが用意されているのは、パーティー構成の幅を狭めていました。戦闘に参加していない機体は経験値を得られないため、遊ぶほどにレベル差が広がっていき、中盤以降は高レベルの固定パーティーと他メンバーの格差がひどかったです。

物欲センサーとの戦いを強いられるギルド依頼

メイQノ地下ニ死ス ギルド依頼

 アイテムを納品して報酬を得られる依頼要素は、RPGにおいて定番コンテンツです。しかしながら、本作では要求されるアイテムの入手難易度が異常でした。大半の依頼が「レアモンスターのレアドロップ」を指定しており、出現ポイントで定点狩りをしても、運が悪ければ数十分コースです。

 依頼の発生はストーリーに依存せず、クリアした分だけ新しい依頼が追加されるため、面倒だからと放置すると、そこで依頼要素自体が詰んでしまいます。達成するまで報酬は不明という一方的な依頼を、手当たり次第にクリアするしかない、面白みに欠けるコンテンツになっていました。

便利な機能があってもストレスの溜まるダンジョン探索

メイQノ地下ニ死ス 無限迷宮 メイQノ地下ニ死ス 青の森

 ダンジョンRPGにおける基本操作に加えて、曲がり角を自動で曲がってくれる「オートターン」や、前方3マスと範囲の広い「オートマッピング」など、便利な機能が用意されています。しかし、機能が充実しているからといって、必要以上にダンジョンを難しくしていては台無しです。

 どれだけサポートされても、アリの巣のように入り組んでいるダンジョンの探索が楽しくなるわけではありません。複雑になりすぎた構成にストレスが溜まることも多く、便利な機能なんて要らないので、普通に進めるダンジョンを攻略させてほしいと感じる探索でした。

ノーマルがイージー相当でやり込み要素は周回前提

メイQノ地下ニ死ス 周回プレイ

 私はノーマル難易度で遊びましたが、難しさはかなり控えめに感じました。中盤までは属性を気にする必要があるものの、終盤に差し掛かると相性を無視しても戦えるレベルです。ただし、クリア後の要素は難易度に応じて解放されるため、ノーマル難易度のクリアでは、ほとんど遊べません。

 手応えが欲しい人や、周回してクリア後要素を全て制覇するつもりの人は、最初からハードで挑むくらいでちょうど良いかと思います。難しければ、途中で難易度を変更することもできるので安心です。もちろん周回を前提としたやり込み要素のため、アイテムやレベルは全て引き継ぐことができます。

さいごに

 メインストーリーだけでは物足りなかったため、クリア後要素を最後まで遊ぼうと思いましたが、周回プレイすることが前提だったので断念しました。今の状況では、複数周回するモチベーションが保てません。カスタマイズ関連を中心に、パッチによる改善を期待したい作品でした。