【レジェンド オブ レガシー | 3DS】評価・レビュー

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総評
どこか懐かしいバトルシステムや、冒険を演出するシステム・世界観など、一昔前のRPGを強く意識した雰囲気の本作。しかし、どれも中途半端で特筆するほど面白いと挙げられる要素が見当たりません。調整不足を感じさせる部分も多く、ゲームデザインまで一昔前の作品でした。
良かったところ
悪かったところ
主人公ごとのドラマが乏しい一本道ストーリー
慣れるほどにルーチンワークと化していく戦闘
1
C-
ジャンル RPG
ハード Nintendo 3DS
発売日 2015年1月22日
発売元 フリュー
開発元 キャトルコール
公式サイト リンク

 何もかもが物足りない”普通のRPG”レジェンドオブレガシー」のレビュー記事です。

一昔前のRPGを強く意識した雰囲気の本作。どこか懐かしいバトルや、冒険を演出するシステム・世界観など、様々な工夫が仕込まれていました。しかし、どれも中途半端で特筆するほど面白いと挙げられる部分が見当たりません。

基本システムの説明すらゲーム内に用意されていないなど、全体的に不親切。手探りで遊ぶことに楽しみを見いだせるなら良いですが、必要以上に説明不足で理解に苦しみます。戦闘バランスも極端で、調整不足の部分を利用すれば簡単にクリアできてしまい、ゲームデザインまで一昔前の作品でした。

主人公ごとのドラマが乏しい一本道ストーリー

プレイヤーセレクト

 7人の主人公で複数周回を楽しめる大ボリュームかと思っていましたが、大筋は一本道で個別ストーリーはほんの僅かでした。数時間ごとに短いイベントが挿入される程度。主人公以外のメンバーを自由に入れ替えられる弊害で、大半のセリフはパーティー構成に左右されない当たり障りのないものばかりです。

 1周目は大筋の流れとして用意されているストーリーを楽しめるとはいえ、2周目以降はほとんど同じ内容を繰り返すことになります。これでは周回プレイする意欲が湧きません。中途半端にキャラクターを登場させるくらいなら、アバター形式にして戦闘・冒険に集中できた方が作品を楽しめたと思います。

慣れるほどにルーチンワークと化していく双次元バトル

 フィールドの精霊と契約することで、精霊術の使用やバフを得られるバトルシステム。このシステムを活用できるようになると世界が変わります。敵側が契約すると味方が精霊術が使えなくなるなどデメリットも存在するため、よく考えて戦略を練らなければなりません。

 味方は1ターンを消費して契約するのに対して、敵側は契約と同時に精霊術を使ってくる。リジェネ効果が割合なのでHPの高いボスは回復量が異常など、やや敵側にメリットの大きい部分もありますが、契約を使えない敵が相手なら、常に味方が契約を続けて恩恵を得られるため、それなりにバランスが取れていました。

 問題は中盤以降、契約を維持していれば負けないワンサイドゲームと化していたことです。HPだけでなく、SPまで回復するバフが優秀でスキルも使い放題。条件がそろえばラスボスでもワンパターンに封殺できてしまうのは、あきらかに調整不足と言えるでしょう。

さいごに

楽しめない方が間違って購入されませんように

 説明不足や分かりにくい部分が多い点は、開発者のインタビューなどを読むことで一応は納得したので省略。しかし、発売前からゲームデザイナーの方が『楽しめない方が間違って購入されませんように』と言い切ってる割には、公式サイトに目を通しても、ターゲットとなるプレイヤー層が全く伝わってきませんでした。

 「作りたいものを作って、好みの合うユーザーにだけ楽しんで欲しい」という強い思いがあるのなら、その意図を公式サイトでもハッキリと伝えるべきなのでは? と疑問に感じる作品です。ゲームを買うユーザーがみんな公式ツイッターや開発者のインタビューまでチェックして購入するわけではありません。

 これまでフリューが企画したオリジナルRPGは、完成度はさておき、分かりやすい特徴が魅力的でした。しかし、本作はコンセプトが伝わりづらく、実際に遊んでみても一昔前の”普通のRPG”としか言えません。本作をおすすめも否定もしませんが、もし購入を考えるなら公式サイト以外の情報までチェックした方が良いでしょう。