【FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE(FF12) | PS4】評価・レビュー

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総評
進化したゲームシステムに加えて、様々な遊びやすさが用意されており、初めての人だけでなく、2度目のプレイでも新鮮な気持ちで楽しめる作品です。
良かったところ
多彩な成長システム
試行錯誤が楽しいガンビット
快適なハイスピードモード
5
A+
ジャンル RPG
ハード PlayStation4
発売日 2017年7月13日
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 スクウェア・エニックス
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで25時間(倍速有)

 10年越しのFF12 HDリマスターFINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE(ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ)」のレビュー記事です。

 無印版の1年後に発売された、「FINAL FANTASY XII INTERNATIONAL ZODIAC JOB SYSTEM」のHDリマスター版となる本作。映像のクオリティが上がっただけでなく、インターナショナル版のゲームシステムをベースに、様々な改修が行われています。私自身は無印版以来のプレイだったため、2度の追加・調整によって大きく変化したゲームシステムを新鮮な気持ちで楽しむことができました。

地味な魅力が多い玄人好みのストーリー

 基本的な流れは王道といえるものの、主人公たちのいない場所で多くの物語が進行したり、プレイヤーの想像に任せられたりしている部分も多く、少し異色のストーリーになっています。また、主人公の影が薄く、ストーリーの中心にならないということもあって、分かりやすい魅力は控えめです。

 10年前に遊んだ際はストーリーの評価が低く、ほとんど記憶にも残っていません。しかし、時を経てじっくり遊び直してみると、地味ながらも魅力を感じる部分が多く、10年前の私には早すぎる作品だったという印象です。そして、こうしてストーリーを再び楽しむ機会ができて良かったと感じます。

多彩な要素に悩んでしまう成長システム

 12種類のジョブ(ライセンスボード)から1つを選択して、ステータス強化や魔法・わざを習得していく「ゾディアックジョブシステム」はインターナショナル版で追加された成長システムです。選んだジョブは後から変更できないため、どのジョブを選ぶのか、とても悩ましい要素になっています。

 さらに、今作では同時に2つのジョブに就けるようになって、育成の幅が大きく広がりました。複数のキャラクターを同じジョブに就けることも可能なので、パーティー全体の組み合わせは膨大です。どのような育成方針にするのか、ライセンスボードを眺めて考えるだけでも時間を取られてしまいました。

 ライセンスボードを選んでパネルを解放するだけで終わりではなく、習得した装備・魔法・わざのライセンスは、実際に取得しなければ使えないのも特徴的です。とにかく強い物を解放すれば良いという物ではなく、現在の自分に必要な物を優先して解放するのも攻略のポイントとなっていて面白いです。

試行錯誤するのが楽しいガンビットシステム

 条件とコマンドを組み合わせることによって、戦闘を自動化できる「ガンビット」は、FF12のバトルを語る上で外せません。うまく作り込めば完全にオートで戦ってくれるのはもちろん。敵や状況に合わせて、手動で指示を出したり、ガンビットを随時調整したりと、一風変わった戦闘を楽しめます。

 無印版では役割などを考えずに、ただ回復しながら殴り合うだけという思い出しかありません。今回は「ゾディアックジョブシステム」のおかげでキャラクターごとの役割分担もハッキリしており、ガンビットも組みやすいです。オートで戦えることも魅力ですが、それまでの準備が楽しい要素でした。

2段階のハイスピードモードと優秀なオートセーブ

 インターナショナル版で実装されたハイスピードモードは、広大なマップやガンビットによる自動戦闘を備える本作と相性の良いシステムです。2度目のプレイということもあって多用しましたが、2倍速の探索や4倍速の長距離移動やレベル上げの戦闘など、とても快適にプレイすることができました。ワンボタンで手軽にハイスピードモードを切り替えられるのも高評価です。

 なお、冒頭で「ストーリークリアまで25時間」と記載していますが、本機能を多用した時間となっており、決してボリュームが少ないということはありません。常に2倍速以上で遊んでいたため、実際のボリュームは2倍以上。やり込みまで含めると、大ボリュームといえる内容となっています。

 ゲーム自体の面白さを左右する要素ではありませんが、オートセーブ機能も好印象でした。マップが切り替わるたびにセーブが発生するにも関わらず、待ち時間はほとんど感じません。うっかりゲームオーバーになっても安心という、難易度低下の一因にはなっていたものの、いつでもプレイを中断したり、トライアルモードに挑戦できたりと、フットワークの軽さにつながっていたのは良かったです。

さいごに

 ストーリーに関して好みが大きく分かれそうなことに加え、特殊なゲームシステムがそろっていることから、かなり人を選びます。FFのナンバリングタイトルらしさは薄いですが、ピタリとハマれば他では体験できない面白さを秘めているので、その辺りに興味が湧いた方にはオススメしたい作品です。