【フリーダムウォーズ | Vita】評価・レビュー

総評
未完結のストーリーを筆頭に、不満点を挙げるときりがないマルチプレイアクション。
良かったところ
悪かったところ
長いローディング
大ざっぱなバランス
未完結のストーリー
1
C-
ジャンル “奪還”マルチプレイアクション
ハード PlayStation Vita
発売日 2014年6月26日
発売元 ソニー・インタラクティブエンタテインメント
開発元 ディンプス
公式サイト リンク

 何もかもが中途半端で不完全な作品。プレイを投げるほど酷くは無いですが、「もう少し何とかならなかったのか」と感じる不満点が多すぎました。

 ローディングや処理落ちと言ったベース部分の問題。バランス調整不足と頭の悪いAIの組み合わせで、戦略性に乏しいワンパターンなアクション。強化にリアル待ち時間が発生する、無駄に複雑で面白味の無い強化要素。殆ど未完結のストーリーなど、挙げていくときりがありません。

根本的な不満として「ローディング」と「処理落ち」が酷い

増援時の処理落ち

 全体的にロード箇所が多く、時間も5~10秒以上も掛かるため常にストレス。独房を出るだけでローディング。独房前から行き先を選んで再びローディング。目的地へ到着するまでに最低でも2回のローディングを要求するなど、長いローディングに対する配慮も見当たりません。

 複雑に入り組んでいるマップや、戦闘中の敵増援時には処理落ちも発生。程度は状況にもよりますが、酷い場合はゲームが止まるのではと不安になるほどでした。どちらも複数オブジェクト・高グラフィックの弊害とは言え、見逃せるラインを確実に超えています。

近距離・遠距離武器のバランス調整不足で「近接銃撃」が安定するアクション

張り付いての銃撃

 立体移動を可能にする”荊”や、多数の武器が登場する本作。しかし、プレイしているうちに行き着いた戦術は「銃を持って近接」でした。密着した場合、敵の攻撃パターンが限られるので安全度が高い事に加えて、0距離射撃で銃のダメージが最大効率になります。下手にダウンするとハメ殺されるゲームなので安全第一です。

 ケージブレイクは銃でも発動、弾数制限は強化と二丁持つ事で解決です。もちろん遠近両方で攻撃可能と隙がありません。張り付きを繰り返すだけの単調なプレイにはなりますが、貧弱なうえに扱いにくい近接武器を使ってストレスと戦うよりは、まだ面白かったです。

「頭の悪いAI」と「大雑把な作戦指示」で全く役に立たないNPC

アクセサリ誘拐

 コマンドを編集して主人公のサポートにまわるアクセサリはともかく、NPCに出せる指示が大雑把過ぎて戦略的な戦闘は困難。戦いやすい場所へ敵を誘導することすら難しいです。複数の敵が登場するボランティアでは必然的に乱戦となってしまうため、否応なしに難易度を上げている要因でした。

 それならアクセサリは頼れるのかと言えば、ダウンする原因の大半がアクセサリ誘拐フラグです。先に挙げた近接銃撃で自身は安定しても、アクセサリがダウンすると誘拐阻止しなければなりません。そしてミイラ取りがミイラになるパターン。ダウン頻度の上がる終盤は、誘拐フラグ解除に忙しいゲームです。

イベントの度に呼び出される「お使いゲー」ならぬ「召喚ゲー」

お使いゲーム

 ストーリーに関しては、内容以前に発生パターンが面倒くさい。イベントが発生する度に『○○が△△で待っています』と呼び出され、長いローディングを掛けて出頭する繰り返しにウンザリ。イベントはもういいから、早く次のボランティアに行かせて欲しいと言いたくなるほどでした。

完全にプレイヤーを置いてきぼりの「未完結ストーリー」

ベアトリーチェ

 自身のアバターのはずなのに、何を考えているのか解らない主人公。目的の為ならアクセサリを違法改造するなど、序盤からパノプティコンに対する反抗に躊躇がありません。おかげで懲役と言う数字が増減するだけで、システム面を除いて”自由の無い世界”に殆ど不自由を感じませんでした。

 最終的にストーリーは殆どの伏線を放置したままで終了。終盤は何の話をしているのか理解しがたい会話も多く、よくわからないうちに終わったとしか言いようがありません。ハッキリとした最後を用意すると今後のアップデートやイベントが制限されるとは言え、支離滅裂で謎ばかり残ってるのは歯切れが悪いです。

さいごに

プロパくん

 まだまだ他にも不満点は山ほどあるのですが、特に強く感じた不満を優先的に書き記してみました。もちろん面白いと感じる部分も多少は有りましたけど、多すぎる不満の前に書く余地が無かったです。マルチプレイアクションのバランスは発売後に調整されるのが定番なので、低評価ながらも今後のアップデートに淡い期待を持ちます。

 一応、クリア後も貢献を続ける事で高難易度ボランティアが追加されていく要素も存在。今後はそれらをクリアしながら気長にアップデートまで遊ぼうと思います。俺たちの貢献はこれからだ!プロパくん先生の次回DLCにご期待ください。