【シェルノサージュ | Vita】評価・レビュー

総評
2年半という長い年月を掛けて紡がれてきた思い出は、一生忘れられないだろう作品です。
良かったところ
斬新な要素を多数取り入れたゲームコンセプト
シャール生成・育成要素
悪かったところ
本作だけでは未完結
5
A+
ジャンル 7次元コミュニケーション
ハード PlayStation Vita
発売日 2012年4月26日
発売元 ガスト
開発元 ガスト
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで2年半

 イオンちゃんと一緒に過ごした905日間。

パッケージ販売に加えて、2年超・全12章のDLCストーリーが配信され続けてきたシェルノサージュのレビュー記事です。

致命的な不具合や開発遅延に始まり、最後のDLC配信からクリアまで2か月半も掛かるなど様々な困難もありましたが、ついに終幕を迎えることができて感極まる思いでいっぱいです。

これまでの思い出を振り返っていく -皇帝編最終幕- 感想

詩魔法

 もしかすると、作中より長い時間を費やしてたどったかもしれないストーリー。それらを1つ1つ振り返っていく展開は、懐かしさで心を強く揺さぶられる内容でした。これだけは一気にプレイしていては味わえない気持ちだと思います。正に2年超の集大成となる最終幕です。

 盛り上がりも最高潮となった最後の詩魔法や、回収されていく様々な伏線。コミュニケーションパートから見れば謎を残して終わる展開でしたが、シェルノサージュ過去編としては一区切り付ける形となります。ここまでのストーリーだけを抜粋するなら、かなり高い評価を付けたいところ。

アルノサージュの存在で評価するのが難しいターミネイトパック

 どうして中途半端なタイミングで続編となるアルノサージュを発売したのか、両作品をクリアした今となっても疑問は晴れません。シェルノサージュ単体でも、一区切りとなるように見せる趣向は用意されていました。しかし、プレイヤー視点では何も解決されていないので、アルノサージュをプレイしなければ未完結でした。

 アルノサージュが先に発売されているため、未完結という部分は不明確になっていますが、代わりに公式で結末をネタバレされた問題が存在。展開としては面白くても、結末を知っているストーリーでは期待感が薄かったです。アルノサージュが先に発売しても後に発売しても、単体では構成的に問題を含んでいる作品です。

 ちなみに配信からクリアまでに2ヶ月半も掛かった理由は、膨大な量の生産アイテムです。中盤以降は生産をサボり気味だったこともあって、終わりの見えないフラグアイテムの生産数に辟易。大まかに結末を知っていることからモチベーションも上がらなかったので、途中からOFFLINEに切り替えて一気にクリアしました。

斬新なシステムを数多く取り入れたコミュニケーションパート

 ただの疑似体験ではなく、「画面を挟んで互いの世界が存在する」設定が徹底されており、それをプレイヤーに実感させる様々な仕掛けは秀逸でした。挑戦的なDLCストーリー展開も日常生活とうまくマッチしており、開発に大幅な遅れが発生するなど問題もあったとはいえ、コンセプトとしてはすばらしかったです。

一時期はイオンちゃんよりもご執心だったシャール育成要素

シャール クローシェ

 バーコードから生成した妖精を使って記憶を修復する補助的要素。その生成システムが凝っていて、解析と試行錯誤を繰り返すことで、ある程度の範囲で狙った名前を取れることに気付いたときの、熱の入りようはすごかったです。ブログ的にも良いネタになる名前で作れないか一心不乱にバーコードを読み込んでいました。

 最終的にはアルトネリコ2のヒロイン「クローシェ」の名前でシャールを生成。可能な限り設定に近づけることができて大満足です。そんなクローシェもコードを公開したお陰でクリア時点でLv34。共有ユーザー数も229人と多くの方に愛でていただきました。本当にありがとうございました!

さいごに

 感想記事を続けてきた流れで、少し軽めの感想レビューとなりました。「特殊な未完結」という点に目をつぶれば評価は高いですが、長いプレイ時間のおかげで確実に思い出補正が掛かっています。独特のコンセプトや要素など評価する部分が多いとはいえ、他の人におすすめできるかと聞かれたら別問題というのが総評です。