【ブレイドストーム 百年戦争&ナイトメア | PS4】評価・レビュー

総評
前作から遊びやすさは大幅に向上。グリフォンやドラゴンなどファンタジー要素が百年戦争編とはまた違う面白さを演出しており、定価8,000円と言う高い価格設定にさえ目をつむれば、追加要素だけでも十分に楽しめるタイトルです。
良かったところ
戦略性が大きく強化された戦闘要素
百年戦争をベースにしたファンタジーストーリー
悪かったところ
リメイク作品としては価格が高い
5
A+
ジャンル 部隊アクション
ハード PlayStation4
PlayStation3
Xbox One
発売日 2015年1月29日
発売元 コーエーテクモ
開発元 コーエーテクモ
公式サイト リンク

 7年越しのリメイク+追加ストーリーブレイドストーム 百年戦争 & ナイトメア」のレビュー記事です。

前作のデータを引き継いでナイトメア編のみプレイ。約5時間で終了と追加ストーリー部分のボリュームは控えめでしたが、遊びやすさは大幅に向上。

グリフォンやドラゴンなどファンタジー要素が百年戦争編とはまた違う面白さを演出しており、定価8,000円と言う高い価格設定にさえ目をつむれば、追加要素だけでも十分に楽しめるタイトルです。

前作のデータを進行度に関係なく引き継ぎ可能

引き継ぎキャラクター

 PS3版の体験版を経由することで、前作(PS3)のデータをPS4版にも引き継げます。既に前作で百年戦争編をクリアしている方は、最初から難易度の高いナイトメア編に挑戦。前作を途中で詰んでしまった方も、遊びやすくなった今作で百年戦争編を再開するといった遊び方ができます。

 もちろん、今作が初めてという方でも、いきなりナイトメア編に挑戦できるよう、難易度選択機能を搭載。プレイ中に育てたキャラクターは両方のストーリーで共有して使えるため、いつでもストーリーを切り替えることが可能です。配慮が行きとどいており、幅広いユーザーに遊びやすく作られていると見受けられました。

百年戦争をベースにしたファンタジーストーリー

突如現れた魔物の群れ

 今作より追加されたナイトメア編では、百年戦争編をベースにした新規ストーリーが展開。突如、魔物の軍勢が現れて百年戦争が中断。フランス軍とイングランド軍が同盟を結ぶ奇想天外なプロローグから始まり、ジャンヌ・ダルクが敵になりドラゴンが飛び交うなど、百年戦争編とは掛け離れた物語となっています。

 百年戦争編で登場したキャラクターたちはナイトメア編にも登場。押し寄せる魔物の軍勢を前に生まれる様々なドラマ、危機感の演出には目を見張るものがありました。正直なところ、単なる色物ストーリーだと思っていたら、しっかりと作り込まれていたこと驚きを隠せません。

追加された新システムによって戦略性が強化された戦闘要素

軍団化

 リアルタイムで変化する戦場を駆け抜けて、領土を拡大しながら目標を達成することが多いため、移動速度が重要な本作。徒歩の兵種にくらべて騎乗系の移動速度が早く、効率的に戦うなら騎乗系一択です。前作から引き継いだプレイデータも、騎兵のレベルはカンスト寸前。戦闘も騎兵で蹂躙していた思い出しかありません。

 作品コンセプトは変わっていないため、移動速度による騎乗系の優遇は同じですが、新たに追加された「ザッピング」「軍団化」によって戦略の幅が増大。最大4部体を平行操作するザッピングは、非操作中の部隊も移動や戦闘を自動で行うため、戦闘中の部隊を切り替えながら遊ぶことで、冗長な移動時間を大幅に短縮できます。

 複数の部隊をまとめる軍団化を行った場合、移動速度が操作中の兵種に統一。拠点間の移動は騎兵。拠点での戦闘は重装歩兵といった戦い方も可能です。育成ポイントが全部隊共通で全員を強化するのは大変ですが、複数の部隊をうまく使い分けることで、戦略目標に合わせて様々な戦い方を選べるようになりました。

特大サイズ兵種の追加で、乱戦は画面に入りきらない大乱戦に

ドラゴンvsドラゴン+乱戦

 スクリーンショットのように、ドラゴンvsドラゴン+乱戦になると、プレイヤーですら戦況の把握が困難です。このゴチャゴチャした感じも醍醐味の1つとして楽しめる作品です。また、このような状況でもPS4版では処理落ちを全く感じさせません。PS4の性能なのかうまく作り込んでいるのか、すごいと感じたポイントでした。

さいごに

ジャンヌ・ダルク

 前作がさえなかった分、見違えるように面白くなって評価の高まった本作。強いて不満点を挙げるなら、冒頭でも触れたとおり価格が高いことです。ほとんど使い回しのリメイク作品なのに、前作とほとんど同じ定価設定。前作を未プレイなら納得できるボリュームですが、追加要素目当てだけでは購入をためらってしまいます。

 既に7年も待った新作です。我慢できる方は、少し時間がたって安くなってから購入した方が賢い選択かもしれません。もちろん、私のように面白ければ価格なんて関係ないスタンスの人なら大丈夫。前作が好きだった方や、作品の雰囲気が自分と合っていると感じる方には、是非とも遊んでみてほしい作品です。