【BLUE REFLECTION(ブルーリフレクション) | PS4/Vita】評価・レビュー

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総評
絶妙なカメラアングルや雨による濡れ透けなど、美少女に対する並々ならぬこだわりを感じさせるRPG。駆け足のストーリー展開や調整不足のバランスが気になるものの、少女たちを魅せるという部分に関しては、評価の高い作品です。
良かったところ
魅力的な美少女たち
戦略の幅が広い独特の育成要素
多彩に用意されたゲームシステム
悪かったところ
物足りない難易度調整
駆け足で進行するストーリー
スキルやフラグメントの説明不足
3
B
ジャンル ヒロイックRPG
ハード PlayStation 4
PlayStation Vita
Steam
発売日 2017年3月30日
発売元 コーエーテクモゲームス(ガスト)
開発元 コーエーテクモゲームス(ガスト)
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで22時間

 現代学園x美少女xファンタジー ヒロイックRPGBLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」のレビュー記事です。

 登場するキャラクターは女の子だけという徹底ぶりに加えて、絶妙なカメラアングルや雨による濡れ透けなど、並々ならぬこだわりを感じさせた本作。駆け足のストーリー展開で、一部のヒロインとしか親密に交流ができなかったり、独特の育成要素に合わせて調整をした結果、かなり低い難易度になっていたりする点は気になったものの、少女たちを魅せるという部分に関しては、評価の高い作品でした。

15人の美少女たちが登場する現代学園ファンタジー

 主人公を含めたメインキャラクター全員が美少女なのはもちろん、モブキャラに至るまで全て女の子という徹底した世界観は、大きな魅力といっても過言ではありません。見えそうで見えない絶妙なカメラアングルや雨によって透ける制服、更衣室などの特殊な環境では出し惜しみのないサービスなど、とても抑揚のある学園生活を垣間見ることができます。

 一転して、異世界では魔法少女の衣裳に身を包んで戦うファンタジー要素が満載です。ふだんの学園生活では見られないヒロインたちの姿や、独特の風景が広がる空間。ストーリーが進むと、現実世界に原種と呼ばれる巨大な生物が現れ、派手な戦闘を繰り広げることもあります。日常と非日常が複雑に交錯して、少女たちの様々な一面を見られる作品です。

豊富な登場人物に対して駆け足のストーリー構成

 全体的にスピーディーな展開となっており、15人のメインキャラクターに対して、ボリュームが釣り合っていないと感じました。中心となる3人はともかく、他のメンバーはイベントが終わってしまうと、途端に出番がなくなってしまいます。交流を深めることで追加エピソードを閲覧できるとはいえ、誘える回数は限られているので、1周回で全てを見られる人数はかなり限られています。

 ゲーム全体としても、プロローグもそこそこに始まるファンタジー展開。唐突に明かされる秘密。伏線も無しに登場する強敵など、かなりストーリーが圧縮されていた印象です。20時間強というボリュームに収めるにしては、キャラクター数・内容ともに詰め込みすぎなのではと感じられました。

交流やミッションと直結した独特の育成要素

 経験値の概念はなく、主人公たちのレベルアップは、交流やミッションで得られる「成長ポイント」を使って行います。交流やミッションは有限のため、ストーリーの進捗に合わせてレベルの上限が固定される仕様です。しかし、ポイントを割り振る項目によって、同じレベルでもステータスや取得スキルが変わってくるため、プレイスタイルによって戦闘の感触は大きく異なります。

 さらに、取得したスキルは、交流で得られるフラグメントを装着することで追加効果を付与することも可能です。戦闘に参加する3キャラクターを全員バランス良く成長や、攻撃・サポート・デフェンスに特化させるなど、戦略の幅はかなり広く作られていました。

 少し残念な部分として、スキルやフラグメントの詳細を閲覧できない点が挙げられます。特に、攻撃スキルは種類が多いのに威力の指標がないため、戦闘で実際に使い比べるしかありません。基本的に消費MPが多いほど強力な攻撃ですが、戦闘中以外は消費MPを確認できないことも不親切でした。同様に、フラグメントの強化効果も使い比べるしかないため、しっかり育成するためには試行錯誤が必要です。

多彩なゲームシステムと物足りない難易度調整

 前述した育成要素以外にも、様々なゲームシステムが用意されており、活用することで戦闘を有利に進めることができます。その中でも、事前にチャージでエーテルを貯める必要があるものの、「アクティブコマンド」は回復やガードから時間操作までかなり万能です。原種との戦いでは、仲間のサポートでエーテルを貯めやすくなっているため、各種システムを思う存分に使用することができます。

 システムが出そろうまでは苦戦することもあったのですが、ゲームに慣れてくると、難易度が低い点が気になりました。成長ポイントのリセットアイテムが希少なことに加えて、育成システムの仕様上レベリングで強化できないためか、どんなステータス配分でもクリアできる調整なのかと思います。一応、難易度変更が可能とはいえ、ノーマルでイージー相当。ハードでも歯応えのない難しさでした。

種類が多すぎて管理が煩雑なフラグメントと強化素材

 交流によって入手できるフラグメントは、全部で100個以上も存在します。ボリュームの関係上、1周回で全てを入手することはできないとはいえ膨大な数です。それに対して、セット画面の使い勝手は悪く、スキル同様に効果の詳細が閲覧できないため、管理・付け替えが煩雑になりがちです。

 フラグメントを強化するための素材も100種類近くあって、それぞれ入手できる場所や魔物が決まっているため厄介でした。ミッションを達成するついでに収集すれば良いのですが、経験値が存在しない仕様上、敵から得られる物がアイテムしかなく、ドロップなしの場合もあるため、必要のない戦闘は避けがちになります。色替えを除いて、敵が10種類しかいないことも戦闘を面倒にさせる要因の1つでした。

さいごに

 ゲームとしては物足りなさや遊びにくい部分が多かったものの、少女たちを眺めているだけで満足してしまいそうになる、評価の難しい作品でした。ゲーム面に期待を寄せすぎるとガッカリしてしまいますが、イラストやPVといったグラフィック面に惹かれた人ほど、楽しめる作品だと思います。